[マシン選びのウラ]
これからダートトラックを始めたい人。もてぎスクールや体験走行に来られた方によく聞かれるのが「バイクはどれが良いんですか?」との質問です。
現在「専用のマシン」の無いダートトラックでは、どれを選んだら良いのか分からないのも当たり前。今回はそれをお話ししましょう。
「普段は街乗りやアシに使い、たまにダートを走りたい」ならば、迷わずFTR223を選んで下さい。保安部品もカンタンに取り外し出来、無改造で楽しむ事が出来ます。
ただしノーマルはエンジンレスポンスがダルなので、一旦シートを取り外し、エアクリーナーBOXのフタ(エア吸い込み口の反対側)にドリルで6mmの穴を2つ、開けましょう。
これだけで低中速のレスポンスが上がり、キャブセットはそのままでも楽しく走る事が出来ます。
「腕を磨きたい」と思うならば、選ぶマシンは絶対にXR100(CRF100)です。
「腕前を0→10に上げる。乗るマシンは250cc」と、「腕前を0→10に上げる。乗るマシンはXR100」とでは同じく上達するのに必要な時間は1/2です。つまりXR100で練習するのが上達への1番の近道なのです。
XR100は改造の必要は無く、リヤタイヤをロードパタンタイヤに変えるだけ(量販店で4000円位で売っています)。転んでもほとんど壊れず、FタイヤFフォークを取り外せばフィットやファンカーゴクラスの荷室に積む事も出来ます。
ガソリン3Lもあれば1日遊べて、オイル交換などの基本メンテだけで10年はそのまま走ってくれそうな傑作マシンです。
中古車のタマ数が少ないのが唯一の難点と言えるでしょう。上級者のほとんどがXR100(CRF100)を持っている、と言っても過言ではありません。
その他には旧FTR250、KLX250.XR250等のオフロードバイク、4スト250モトクロッサーなどがあります。
・旧FTR250は、既に20数年前のバイクと言う事もあって程度の良い中古は少なく、補修パーツの欠品も出てきていますが、まだまだ現役選手で通用します。セル付き、キックのみの2タイプがあり、程度の良い中古であればどちらでも良いでしょう。強いてあげれば軽量なキック車がオススメです。
・一般市販オフロード車(KLX250.DR250.TT-R250.XR250など) を使用する場合、若干の改造が必要となります。
KLXやXRなど、ジャンプも飛べるサスストロークの長いマシンは「アシを切る」作業が必要です。早いハナシ、少々シャコタンにする訳ですね。
多くは前後サス内部を加工し、サスストロークを縮めます。同時にFホイールサイズを21インチ→19インチに変更、ダンロップK180タイヤが履けるようにします。 サス加工やリム組み替えは一般ユーザーでは難しいので、ショップに依頼した方が良いでしょう。
セローやトリッカーなどのサスストロークの余り無いバイクはバネとダンパーのアジャストだけで対応出来る場合があります。
・4ストロークモトクロッサー(CRF.RM-Z.KX-F.YZF各250)は、各メーカーが威信を掛け開発しているマシンで、上級者向けです。
パワーや軽さは最高レベルにある反面、ライダーにも相応の物が求められます。セットアップも大変なので、初級者は避けた方が良いでしょう。
…他にもSRやKDX.CRM等の2ストローク車、様々なマシンが走っています。
「FTRでなければ上手く行かない」と言う訳ではありません。楽しむのであれば、手近にあるマシンでとりあえず走ってみる。
これが出来るのもダートトラックの大きな魅力です。